アブサン研究室 -La Vie en Wormwood-

アブサン愛飲家が、アブサンの魅力を語るブログです。アブサンが飲めるバーで実際に飲んだ感想やアブサンが印象的な映画などについて掲載します。

【コラム】アブサン入りの入浴剤があった!?

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七福神のうちの一人である弁財天は唯一の女性であるが、彼女の美容と健康の秘訣はお風呂にあったらしい。

現代でも花の香りやハーブの香り、温泉のような効果を果たす等様々な入浴剤があったり、他にも日本酒やワイン、牛乳などを混ぜたりする入浴方法がある。昔も今もお風呂を楽しむ事には変わりが無いし、美容への意識が高い女性達は積極的にお風呂への拘りに手間や時間をかける。弁財天も同様だ。


『金光明最勝王教(こんこうみょうさいしょうおうきょう)』というお経の中に、こんな話がある。
釈迦の説法を民衆と一緒に聞いていた弁財天は、その説法に非常に感動した。そこで、皆が今の話を忘れずに早く悟りを開けるように、そして長寿でいられるようにとこれまで彼女が秘密にしていた入浴方法を伝える事にしたのだそうだ。


その方法とは、32種類もの香料を入れた香料風呂のことであった。常にこれに入って体を洗えば、病気や悪夢、
鬼神といった災いから身を守ることができるという。


32種類の香料の中には、麝香(じゃこう)、菖蒲、沈香、丁子、ナツメグ、ウコン、そしてアブサン、ベルモットがあったそうだ。
これらのハーブがもつ香りがもつ力は偉大であり、温かいお風呂と共にリラックス効果をもたらし、体の疲労もゆっくり解きほぐす。昔から香りを身に纏うことは魔除や身を清める事と深く直結していた為、香りの強いハーブを入浴剤として使用していたのも理解できる。

 


さすがに32種類全ての香料を入れることは難しいが、1種類2種類ほどなら現代でも出来そうだ。
アブサン風呂、皆さんも是非。
心地よい香りでリラックス。

 

「出典元:香りの手帖 松楽堂広報部 福武文庫」