アブサン研究室 -La Vie en Wormwood-

アブサン愛飲家が、アブサンの魅力を語るブログです。アブサンが飲めるバーで実際に飲んだ感想やアブサンが印象的な映画などについて掲載します。

アブサンってどうやって飲むの??

アブサンの飲み方として一般的なものが「ドリップスタイル」だ。
ドリップスタイルは、「ファウンテン」とよばれるアブサンを徐々に加水するための道具を使用する。
 
 
ファウンテンは水をためた容器に複数の小さな蛇口が取り付けてあり、蛇口を調節してポタポタと加水を行う。それによりストレートのアブサンから風味や色の移り変わりをゆったりと楽しむことができる。
 
 
ロックやストレートでも勿論良いのだが、アブサン本来の魅力を十分に引き出すのには難しい。。(それでもブログ主はやっぱりストレートが好き)
アブサンには100年以上も前からファウンテンを使用した独特な飲み方がしっかりと確立していたし、何と言っても冷水で少しづつ薄めて変化を観察しながらゆっくり味わうことのできるアブサンならではの魅力があるからだ。
 
実際にファウンテンを使う様子をご覧あれ。
 
 
 
 
 
ポタリ、、ポタリ、、、と水が落ちるたびにアブサンが青白く白濁していく様子。
とてもミステリアスで魅惑的、吸い込まれそうだ、、、
 
 
 
角砂糖は使った方がいいの?
 


主の考えを言うと、「甘くして飲みたいならお好みで」ということ。
ブラックコーヒーに砂糖やミルクを足す感覚と似ているかもしれない。
ではなぜこのような飲み方が流行ってきたのか、という疑問が出てくるが、初期に造られたアブサンは薬用酒であり無加糖だったため苦味の強いアブサンを飲みやすくするために砂糖が用いられてきたのではないか、という説がある。そして昔の食糧事情をを考えると糖分の供給は足りておらず、生命維持のための糖分補給としてこのような飲み方が流行、定着したのではないだろうか。
 
 
現在造られているアブサンは、既に加糖されたものもあり、加糖されていなくてもハーブのバランスがとても綺麗に造られているため苦すぎる・飲み辛いということがほぼ無い。その為、あのお洒落なアブサンスプーンを使用する機会は、、、残念ながらほぼ無いのかもしれない。
 
 
あれ、アブサンって火をつけて飲むんでしょ??
と、思っていたあなた。
その飲み方、実は、、、素晴らしいアブサンを届けてくださる生産者への裏切り行為なのだ。
この飲み方は「ボヘミアンスタイル」や「チェコスタイル」などと呼ばれ、チェコのアブサンメーカーの営業マンが1990年代後半に流行らせたとの事。アニスを使用しないためにドリップしても白濁せず、味も劣っていたチェコのアブサン(偽アブサン笑)を売るために考え出されたパフォーマンスだそうだ。ジョニーデップ主演の映画でも特に印象的な場面として描かれているのだが、アブサンの味を本当に愛しているアブサンドリンカーたちはこのような飲み方は絶対にしない。
 
 
 
 
有名なアブサンサイト、「The Wormwood Society」やアブサンの生産者達はHP上で「アブサン着火反対」と強く訴えている。
(でも、やっぱりやってみたくなる気持ちも非常に理解できる。。主も初めてアブサンに出会った時、バーのマスターがお遊びで目の前で見せてくれた時はドキドキが止まらなかったもの。そして「これはとてもダサい飲み方だってことは覚えておいてね」という言葉も付け加えてくれた)