薬草とは?
ヨモギなどの草や葉だけでなく、生姜のような根っこ、ナツメグのような果実、イチョウのような樹木も「薬草」に含まれる。
薬草にも気軽に使えて食べられる薬草から、効能が強すぎで薬剤師や製薬会社などの専門家でないと扱えないものまであるのだ。特に素人には扱いが難しいものは「専ら医薬品(もっぱらいやくひん)」とされ、販売したり加工したりすることはできない。
芍薬の花が食用に分類されることになったり等、改正もある為使用する際は必ず最新情報を見るようにすることが大切だ。判断が難しい場合は保健所に相談、確認するのも良い。食品の分類と、化粧品用の分類も微妙に異なるので注意が必要だ。
ちなみに、薬草を加工せずにそのまま使用しているものを生薬と呼ぶ。天然に存在する薬効を持つ植物から、有効成分を精製することなく体質の改善を目的として使用されているものだ。
では、ハーブとは?
一般的に料理の香り付けや保存料、薬、香料、防虫などに利用されたり、香りに鎮静・興奮などの作用がある有用植物で緑の葉を持つ草、茎のやわらかい植物などを指すことが多い。同様の有用植物であっても、種子、実、根、樹皮などは香辛料と呼ばれることが多いが、苔から木本まで、香りや薬効がある有用植物全般をハーブとして扱う場合もある。反面、旺盛な繁殖力を持ち駆除困難な雑草となる種もある。特にヨーロッパでの薬用の薬草やスパイスなどとして有用な植物を指し、香りや香味辛味などの風味を楽しむために少量用いられるキッチンハーブを指すことが多い。
「薬草」も「ハーブ」も個人が自由に使用できるものもあるという共通点もありながら、「植物のどの部分を使用するか」「何を目的として使用するか」というところで総称に違いがある。
しかし、私たちがこれらを扱う際に注意すべきなのは
どんな効果効能があるのかをしっかり理解すること
そして扱って良いものかどうか細かく確認することだ
出典『薬草のちから 野山に眠る、自然の癒し』新田理恵、晶文社